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地竜謁見 (1)

すべてのものが気に入らなかった。疎ましい硫黄臭が漂うこのドラゴンバレーも、いつからか彼の後をついて来ている軽率で出しゃばりなあのホークアイも、道中ウジャウジャいる化け物と人々の死骸も、俺を裏切りどこかであざ笑っている魔術師も... その中でも最悪なのはあの阿呆なシリエンエルダーの小娘だ!一体なぜ...!

くそ!ダークエルフは頭を横に振った。本当に最悪なのはこんなことに振り回されている自分自身だ。遅々として進まない状況で指示に従い呆然と歩みを踏み出している姿だって、不格好な上みっともない。

「気に入らないね」

ホークアイが軽薄な態度で言った。彼の声を聞いてから、シーケンは自分が今まで息を殺したまま歩いていたことを悟った。問わなくても相手はぺちゃくちゃその理由を言うだろう... こいつはそんな奴だから。

「その魔術師のやつ、よりによってこんなところで逃げるんだから。見つけたら俺の腕を見せてくれる」

シーケンの二つの目が、揺れる怒りを持ってホークアイを睨む。かすかに反感を持って、ダークエルフの灰色の瞳を見合わせた「鷹の目」が他の所へ向く。

「分かってるさ。もちろんヤツの息の根を止めるのはお前の仕事だ。俺はそんなつもりで...」

「ゴーシュ、君が殺人以外の仕事もできるなんて知らなかったよ」

ひょろ長いホークアイの顔が軽く歪んだ。

「おい、言葉がすぎるぜ!」

ダークエルフはそっぽを向いてまた谷の奥に向けて歩き始めた。

「俺にもできることがいろいろあるさ」

「例えば?」

「例えば...」

毒々しい煙に腐った石が自らの重さに負けて崩れる音に、二人の足音だけが加わった。谷は静かで、会話はこれ以上続かなかった。やがて他の音が聞こえ始めた。その音の主たちが、巨大な蛇の体をひいて谷に散らばった砂利を転がして気持ち悪い音を作り出しているのだ。ホークアイのゴースティンは、嬉々として周辺を見回し、戦闘の準備をしながら言った。

「もうそろそろお出迎えの時間だね。お嬢さんたちが来たぜ」

ゴースティンが言葉を終わる前に、シーケンのファントムソードからはもう薄青い精霊の機運が立ち上っていた。


▲ 地竜謁見 - プロローグ
地竜謁見 (2) ▼
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