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地竜謁見-エピローグ

ホークアイのゴースティンは、インドナリル様式の椅子に座って茶を飲みつつ、彼の主人が来るのを待っていた。彼は血で汚れた服を着替えなかった。許しを得ることができなかったからだ。

黎明の若いクレリックは、無表情を装ったまま部屋の扉際に立っていた。ゴースティンは、そんな表情に慣れていた。彼らは、聖職者の部屋に、汚くて粗暴で罪で染まった汚れた者が入って来ているということ自体が不満なのだ。


「来た?来たのか!」

扉が開かれて、彼の主人が入ってきた。いつ見ても幸せに見える顔に、淑やかな身なりを維持している彼は、ギランの司教の中の一人で、予言の証人と呼ばれるフランツ・アベルだった。ゴースティンは彼の機嫌を伺って席を立ち上がった。フランツは手を軽く上げた。

「そのまま座っているように」

彼は目線で合図し、扉を守っていた若いクレリックを退席させた。
クレリックは、不信と嫉妬心を匂わす視線をもう一度ゴースティンに投げてから部屋を出た。


「そう... お前がここ来ているということは遠征隊が地竜を退けたという話になるな?ギランのための幸いな事に違いない... それで...?」
「魔術師は逃しました」

微笑みを浮かべているフランツの口元がかすかに震えた。
ゴースティンは慌てて言葉を引き継いだ。

「アンタラスと一緒に消えてしまったんです。私が見るには、まるで地竜と対話を試みているようでしだが...」

司教が座っていた椅子の肱掛けが、ミシミシと音を出しながら壊れた。

「あのダークエルフは?」
「まだ魔術師の行方を追っています」

「ところでお前はどうしてここへ来ている?」
「あ、それが...仕事の途中経過がお知りになりたかったのではないかと...」
「お前が教えてくれなければ私が分からないとでも思うか?」

フランツは彼の下僕に向けて手を伸ばした。ゴースティンは怖気付いて首をすくめた。
フランツの手先が彼の額に触れた...... しかし何も起きなかった。

「何、お前を咎めることはないでしょう... しかしお前がすべきことが何かは、これからも忘れないで貰いたい。何があっても、お前はその本を呪われたエルフたちの手から取り戻さなければならないのだ。混沌の到来を阻むために、その本は私たちの教団の元になければならない。分かるか?」

ゴースティンは頷いた。

「分かったら彼の疑心を買う前に帰るように」

この言葉を終りに席を立ち上がった司教は部屋を出ようとしたが、ふと振り返った。


「ところで、」

ゴースティンは動きを止めて主人を眺めた。

「今度の遠征隊に黒い鎧の騎士たちが混ざっていたという話が聞いたが、彼らに関して分かった事があるか?」
「直接見てはいません...」

ゴースティンは、主人の表情を察しながら、言葉を引き続いた。

「私たちが遠征隊と合流した時には彼らはいなかったのです。地竜の巣を守る化け物たちと争った時、戦死したと聞いたんですが...」
「死ぬ?!」

司教は嘲笑った。

「お前は、彼らの死骸でも確認したのか?」

司教は自ら問うて自ら返事した。

「それはないでしょう...不死身の騎士たちが戦死するなんて、ナンセンスだ」

司教は柏手を一回打って、そのまま部屋を出た。一人で残されたゴースティンは、しばらく考え込んだ。シーケンがプリキオスを見付けたとき叫んだ言葉に関して、任務報告するためにここに来たことで、その意味がやっと分かった。

(何、構わねぇさ...)

しばらく後ゴースティンの姿もその場所で消えた。

*******

―――― 一点の光も存在しない完全な闇の中で,、魔術師は言った。

「地竜よ、つまらない生物どもに敗れて土中深く逃げたお前の姿はとても惨めですね」

竜は怒っていた。

「光の力は、すでにあまりにも強くなりました。竜という言葉に、彼らはこれから恐怖を感じないでしょう。お前の兄弟たちは、今日お前があったことと同じ敗北を喫するようになるでしょう」

竜は恐れていた。

「地竜よ、私は証明した。これから私の問いに答えなさい」

竜は受諾していた。

「母なるシーレンはどこに居られるのですか?」


▲ 地竜謁見 (11)

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早く帰って来い(´;ェ;`)
【2006/10/16 18:58:12】 | URL | そり [ 編集 ]
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